P7223799

今週の初めにメダカ界を震撼させる大ニュースが飛び込んできました。
皆さんも新聞等でご覧になった方もいらっしゃると思いますが、国内のメダカは実は2種類いるとの研究結果の発表が報道されたのです。

近畿大学プレスリリース

日本のメダカ、実は2種類! 初の新種発見 農学研究科の朝井さん、3年越しの研究実る


記事を要約すると次のとおりです。

日本のメダカは、青森から京都の日本海側に棲息する「北日本集団」とそれ以外の地域の「南日本集団」に分かれていることは判明していたが、分類学上は同一種とされていた。
近畿大大学院農学研究科や神奈川県立生命の星・地球博物館のチームが研究したところ、「北日本集団」は「南日本集団」と比べて雄の背びれの切れ込みが小さいことや、うろこが網目状に黒いこと、体に黒い斑点があることなどの違いがあった。そして京都府のある川には両方の集団がいるが、交配をしていないことから別種と断定した。

う〜ん、この記事には驚きました。
日本のメダカ(ダツ目メダカ亜目メダカ科)は学名を「Oryzias latipes」といいます。
「Oryzias(オリジアス)」はイネの属名「Oryza」に由来しており、英名は「ライス・フィッシュ」です。日本語で言えば「田の魚」という感じでしょうね。
このよう にメダカと稲作は切っても切れない縁があり、日本では稲作とともにメダカの安定的な生息環境が広まったといわれています。

メダカがいそうな水路

この日本のメダカは「北日本集団」と「南日本集団」に分かれることは知られていましたが、日本のメダカである「Oryzias latipes(オリジアス・ラティペス)」は、今回の調査の結果、「南日本集団」のことで、「北日本集団」は別の種として「オリジアス・サカイズミ」と命名されたとのことです。

今はメダカブームと言われ、交配された様々な品種のメダカが販売されていて私たちにはとても身近な魚です。
今、私たちが飼育しているメダカは、人が作った改良品種がほとんどです。代表的な改良品種はヒメダカで、江戸時代にはすでに飼育されていました。

IMG_6083

最近ではブリーダーが様々なメダカを作り出しています。
鮒(ふな)が人の手で交配により改良されて様々な金魚が産み出されているように、メダカも同じ状況になりつつあります。
このように改良品種のメダカは、私たちにはますます身近になっているのですが、自然界のメダカはますます遠くなっています。

睡蓮鉢のダルマ

ヒカリメダカ

そして、メダカは自然界では環境省のレッドリストに「絶滅の危機が増大している種」として登載されています。

このように日本人には、おなじみの魚であり、絶滅も危惧されている魚であるのに、その実態が分かっていなかったということにも驚きますよね。

P4174314

それにしてもメダカの飼育本や魚類の専門書はこれからメダカの記載について、大幅な改稿が必要になりそうですよね。
環境省のレッドリストにも2つの種が登録されることになるのでしょうか。

P4160484

まだ、ドイツの魚類専門誌に掲載されたところであり、これから様々な反響があるものと思いますが、この研究結果をぜひ、今後の自然界のメダカの保護の為につなげていって欲しいと思います。
将来、天然のメダカを見ることが出来なくなるようなことがないように、メダカの生息環境を守っていくことが大切ですよね。
→「最後のメダカ
→「メダカを食うブラックバスは宙をも飛ぶのか

では、また次回。

このブログの応援の為に下にある日本ブログ村投票バナーのクリックをお願いします。プチッとクリックすると「メダカブログ人気ランキング」をご覧いただけます。
にほんブログ村 観賞魚ブログ メダカへ
にほんブログ村 クリック