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▲メダカの表情を捉えるのは夜間撮影が最適です。(マクロレンズ使用 絞り優先)

今回の記事は、ご要望の大変多かったメダカ撮影のテクニックについてです。

メダカのように小さくて動き回る魚の撮影はとても難しいものです。
私もメダカはどのようにすれば上手に撮影できるのか、いろいろ工夫をしてきました。
伝えたいことがいろいろありますので、今回を第1回として不定期で書いてみます。
デジタル一眼レフカメラを使用した撮影テクニックをご紹介しますが、コンパクトデジタルカメラ(いわゆるコンデジ)にも応用できると思います。
専門的な用語も出てきますから分かりにくいと思いますが、お暇でしたらお付き合いください。

1.使用機材は?
まずは、私が撮影で使用しているカメラをご紹介します。
オリンパスのデジタル一眼レフカメラ E-620です。
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キャノンやニコンのデジイチに比べると、とてもマイナーな機種ですが、価格が安くて軽量なのが魅力な名機です。2009年3月の発売ですから、少し古い機種となってしまいました。

そして主に使用しているレンズは次の2種類です。
望遠レンズはオリンパスのZUIKO DIGITAL 70ー300mmです。
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マクロレンズは、オリンパスのZUIKO DIGITAL 35mmマクロ(いわゆる3535マクロ)です。
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この両レンズとも価格が安くて写りが良いというコストパフォーマンスの高い優秀なレンズです。


それでは、具体的な撮影テクです。
2.昼間は望遠、夜はマクロレンズが基本
(1)昼間の撮影
屋外で飼育しているメダカを日中に撮影することは、とても難しいものです。
昼間のメダカは活性が上がっていますから、警戒心も強く、人がカメラを構えて写真を撮ろうとしていることに気が付くと、すぐに水底や水生植物の葉陰に逃げ込んでしまいます。
こんなメダカたちを撮影するためには、望遠レンズを使用します。
望遠レンズを使用する利点は、離れている場所から撮影できるため、警戒心の無い自然なままの姿を撮ることができるということです。

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▲楊貴妃が日光を浴びながら泳いでいます。(望遠レンズ使用 絞り優先)

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▲メダカ池のブチメダカです。野性味がありますね。(望遠レンズ使用 絞り優先)

昼間のメダカ撮影の注意点を。
昼間はメダカたちの活性が上がり、動きが素速いためシャッタースピードを思い切って上げないとメダカの姿をしっかりと捉えることが出来ません。
しかし望遠レンズでズームを効かせるとともに、シャッタースピードを上げて撮影をすると光量不足で暗い画像となってしまうこととなります。
ということで、無理をしないで絞り優先モード(絞りを固定するとシャッタースピードは自動で設定してくれます。)にして、絞りを開放気味にし、望遠レンズであまり動きのないメダカを撮影してみてください。次のような写真が撮影できますよ。

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▲アオメダカです。日光は眩しそうですね。(望遠レンズ使用 絞り優先)


(2)夜間の撮影
昼間は太陽光が水面に反射したり、周りの景色が水面に映り込みますから、メダカの撮影が難しい場面が多くなります。PLフィルターなどを使って反射を抑えることも出来ますが、その場合はレンズが暗くなりますから、シャッタースピードを上げると画像も暗くなってしまいます。
ということで、メダカの表情をしっかりと撮影するには、メダカの警戒心が少なく動きがあまりない夜間がおすすめです。
そして夜間撮影に使用する主なレンズは、マクロレンズです。
メダカはとても小さな魚です。メダカの群泳を撮影するには通常のレンズで良いのですが、やはりメダカはしっかりとその表情を撮影したいものです。
マクロレンズは、撮影距離が被写体の数cm近くまで寄ることが可能です。
ということで、夜の撮影はマクロレンズを使用してメダカにグッと近づいて撮ることとなります。
フラッシュは内蔵フラッシュで十分です。
私の場合は、撮影時にメダカに近づきすぎて、レンズの表面が水面に触れて濡れてしまうことが度々あります。

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▲クロメダカが波紋の中で揺らめきます。(マクロレンズ使用 絞り優先)

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▲素敵な表情の楊貴妃です。(マクロレンズ使用 絞り優先)

夜間の撮影時の注意点を。
夜間に撮影するためには、当然、水槽を照らすライトが必要となります。
ということで、私は軽量なペンライトを左手に持って撮影をしています。
カメラは当然、両手で持つことになりますが、右手はシャッターを押しますから、必然的に左手でライトを持ちながらカメラも支えるという高等(?)テクニックを駆使することとなります。
この辺りは慣れというか経験することで上手くいくようになりますので、皆さん、頑張ってくださいね。
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▲メダカの眼です。やはり目高ですね。 (マクロレンズ使用 絞り優先)


さて、ここからが私が利用しているマル秘テクニックです。(知っている人は知っているテクニックですから、いまさらという方もいらっしゃると思いますが・・・。)
【親指AF】
通常、デジイチで撮影する場合には、シャッターボタンを半押しするとピッと音がしてピントが合い、そして、さらにシャッターボタンを押し込むと撮影が出来ることとなります。
このシャッターボタン半押しでピントを合わせる機能を背面のAEロックボタンなどに切り替えて、親指で操作するのがこの親指AFです。
このようにボタンの役割を切り替えるための設定はカメラの取り扱い説明書(マニュアル)を確認してください。

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このように背面のボタンにピントを合わせる機能を設定した場合には、親指でピントを一度合わせた後に親指を放せば、フォーカスロックの状態になり、そのピントの位置が維持されることとなります。
メダカのような動き回る小さな被写体にピントを合わせることはとても大変ですし、シャッターボタン半押しをしてピントが合ったと思ったらメダカが動いていなくなってしまうことはよくある話ですよね。
親指AFの場合はシャッターボタンを半押ししてもAFが動きませんから、フレーミングを固定することが出来ます。簡単に言えば、一度、メダカにピントを合わせて親指を放してフォーカスロックの状態にしておけば、メダカがそのフレーミングの範囲に再び来ればピントが合っている筈ですから、そこでシャッターボタンを押せば撮影出来ることとなります。

【コンティニュアスAF】
親指AFの説明で、フレーミングの範囲に来ればピントが合っていると説明したのですが、マクロレンズを使用した場合は、被写界深度(ピントの合う範囲)が浅いですから、撮影距離の少しの違いでピントがずれてしまうことがあります。そこでコンティニュアスAFを設定しておきます。
コンティニュアスAFを使用する利点は、動く被写体を追い続けてピントを合わせ続けてくれるということです。

【親指AF+コンティニュアスAF】
上記で親指AFとコンティニュアスAFの利点を説明したのですが、実際の撮影では、この両方を組み合わせて撮影をします。
つまり親指AF機能を割り当てたボタンを親指を押してメダカにピントを合わせてそのまま押し続けていると、コンティニュアスAFがピントを微調整してくれますから、後は人差し指でシャッターボタンを押して撮影するだけです。
親指AFを使用しなくてコンティニュアスAFだけを設定して、シャッターボタンを人差し指で半押ししたままでもメダカを追いかけて撮影することも出来ますが、一旦、メダカをAFが追えなくなってしまった場合にはシャッターボタンを押さずに人差し指を放すこととなりますから、また初めからフレーミングも含めてやり直すこととなってしまいます。
その点、親指AFは、親指を放してもピントはずれませんから便利ですよね。

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▲太陽の光を浴びて泳ぐ楊貴妃メダカです。(望遠レンズ使用 絞り優先)

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▲夜間撮影はメダカの姿をはっきりと捉えることが出来ます。(マクロレンズ使用 絞り優先)

メダカ撮影マル秘テクニックということで、第1回目の記事を書いてみました。
オリンパス以外のメーカーの場合には、今回説明をした「親指AF」や「コンティニュアスAF」について別の呼び方をしているかもしれませんので、その点はご容赦ください。

不定期ですから、次回は未定ですが、皆さんのご要望や反響を見てから記事にしてみますね。

【その他、参考となる過去記事】
トリミングの作法
 メダカ写真には、このトリミングがとても重要です。トリミングするのとしないのでは大違いです。

コンデジで撮るメダカたち 
 コンデジでもメダカ写真はしっかりと撮影することが出来ますよ。

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メダカの屋外飼育に興味がある、又は飼育を始めてみたいと思っている方は次の記事をご覧ください。
◎「GWにメダカの屋外飼育を始める方へ
「メダカのバケツ飼育のすすめ」← クリック

これからの季節の水温上昇対策については下記の記事を参考にしてみてくださいね。
「メダカ屋外飼育水槽の水温上昇対策」
「夏場の水温上昇対策(その2)」
「スーパー猛暑の対処法」

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